災害時の身元確認の一つに歯の鑑定が行われています。
歯は、死後遅くまで残る組織の一つで、さらに生前も死後も外から見ることのできるものです。
歯科治療を受けた経験がある人は、その際の診療記録やレントゲン写真などが歯科医院に保存されている可能性があり、それを元に、身元確認が行えます。
しかし、歯科医院にかかったことのない人の場合には、生前の歯科記録がなく、また歯科診療録の保存義務は5年、レントゲン写真は3年ですので、その期間を過ぎてしまいますと、歯科医院に残っていない場合もあります。
これらの場合には、歯の鑑定は出来ないのだと思っていたのですが…
歯科医院での記録がなくても、歯科的な検査から、多くの個人識別に必要な情報(人種、性別、年齢、血液型、DNA型、体格、習慣、習癖など)が得られるそうです。
また、生前の笑っている写真から、歯の特徴や歯並びなどを特定することも出来ます。
東日本大震災から3ヶ月がたちますが、今も行方不明の方や身元がわからない方が多くいらっしゃると聞き、本当に胸が痛いです。
歯の鑑定で一人でも多くの方の身元が確認でき、また歯科医院で働く一人として、協力できればと思っております。
このたびの東日本大震災により、被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。